有限会社 平原精密工業
代表取締役会長 平原 征次様
東京都青梅市
斉田製作所と言えば、まず亡くなった先代社長・斉田 孝さんを思い出す。
失礼かもしれないけど、斉田さんは「名経営者」ではなく「天才的な技術者」だった。頼まれたら、絶対に「いや」とは言わない。 一方付いて、何が何でもモノにしちゃう。簡単にモノに出来ない時には、寝ず食わず、で考え抜いていた。 そんな具合に、仕事に対しては一切の妥協が無くって、執念を持っていたなぁ。
それでも遊びの出来ない奴は仕事も出来ないって、遊びにも一生懸命だったなぁ…。 マージャンは意外にも勢いで打つタイプで、カラオケは玄人はだしだったね。
大分昔になるけど、俺達の仲間数人に「カム設計」を教えてくれた時、斉田さんは一生懸命教えてくれたんだけど、出来の悪い俺は解からなくなると、すぐに「オイチョカブをやろうョ」って、誘っちゃうんだよ。斉田さんはしぶしぶ「しょうがねぇなぁ~」って、すぐに乗ってきて夢中になって…、そうだ斉田さんはオイチョカブも好きだったなぁー。
ガンで亡くなる1年位前には、毎晩のようにカラオケに行っていたそうだし。 カラオケが玄人はだしの斉田さんは、死ぬのも怖がらずにカラオケを上手くなろうって、マイク握っていたのかなぁ。 今度あったら、聞いてみよう。
それに機械設計はお手のモンだから、俺らには思いも付かない方法でモノを作っちゃう。 その一つに 『M1のメネジを切るのにタップじゃなく、バイトでネジを切って、裏の穴面取りまで取っちゃう。』 って言うのが有る。
シャーペンの芯位の太さのネジ切りバイトで、ネジ切りするのですよ。
こりゃ、凄い。
斉田さんの所の機械は小さいから、材質は真鍮が多いんだけど、細かい精密なモンが得意なんだ。
そんな斉田さんの夢中さ加減は、今の斉田製作所にも確実に伝わっているョ。斉田さんの思いが二代目の若社長と、他の技術者にも伝わっている。
斉田製作所は理屈っぽくて小うるさい会社だけど、信用の出来る会社なんだ。