こんなイモネジ(止めネジ)には要注意
例1) ねじが途中までしか、加工されていない。 | |
ダイス加工では、ありがちなケースです。 このようなねじでは、イモネジ(止めネジ)をメネジに入れていっても、途中で止まってしまったり、止め付けたつもりが、止まっていない、といった事態が起こり得ます。 |
例2) ねじ山の一部が、欠けている。 | |
これもダイス加工では、ありがちです。 止めネジのねじ山強度が低くなったり、メネジを傷つける恐れが有ります。 |
例3) すりわり溝が、ねじに対して大きく偏芯して加工されている。 | |
これは、加工機械と、加工技術の未熟さが原因です。 このようなイモネジ(止めネジ)は、強く締め付けると、すりわり部が欠けてしまいます。また、必要な締め付けトルクが出ません。 |
例4) すりわり部に、ベロ状のバリがある。 | |
「ねじ切り加工後の、すりわり加工」の工程で発生します。 バリをなくすのは技術的にも難しいのですが、イモネジ(止めネジ)のベロ状のバリが脱落すると、ゴミとなり種々の悪影響を及ぼします。 |
■すりわり部に発生する、ベロ状のバリとは・・・?すりわり部は、フライス・カッターという刃物で作ります。(回転するカッターの刃が、すりわり溝を切削します。)
すりわり溝には、回転するカッター刃の入り側と抜け側が有り、カッターの抜け側のすりわり底部にベロ状のバリが発生します。
このベロ状のバリは、カッター抜け側のすりわり底部が、ねじ山の上り斜面にある時は発生せず、ねじ山の下り斜面にある時は発生します。
その為に、およそ半分の確率でベロ状のバリが発生します。(ねじは基本的には、上り斜面と下り斜面の連続ですから。上ったり下ったり、まるで人生のようですね。)
例5) メッキにムラがある。 | |
小さいイモネジ(止めネジ)のメッキは、本当に難しいものです。しかし、どんなに小さい イモネジ(止めネジ)であっても、メッキの乗っていない所があれば、そこから錆が発生することも考えられます。 当社では、小さいイモネジ(止めネジ)にもしっかりとねじのメッキが出来る、技術の確かなめっき工場にお願いしています。 また、亜鉛めっきの六価クロム対策も、代替の三価クロメート処理で万全です。さらに、黒色の三価クロメート処理も可能です。 ご安心ください。 |
理想のイモネジ(止めネジ)を求めて
もちろん、このような「品質が悪い」部分が一つも無いイモネジ(止めネジ)が、一番良い イモネジ(止めネジ)と言えます。
但し残念ながら『イモネジ(止めネジ)のすりわり部に、ベロ状のバリがある』のを、現在の加工方法(「ねじ切り加工→すりわり加工」の工程)で100%無くすのは不可能なのです。
しかし、当社ではイモネジ(止めネジ)のバリの発生を無くす研究を行っているほか、理想の イモネジ(止めネジ)を求めて、日々研究・開発にあたっており、その成果の一つが、当社のすりわり付止めネジ「デルスクリュー」なのです。